保釈して欲しい

保釈とは?

保釈とは、保釈金の納付などを条件として、被告人の身体の拘束が解かれるという制度です。(なお、保釈は公訴提起(起訴)後の被告人についてのみ認められており、公訴提起前の被疑者には認められていません。)

刑事手続の流れ

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保釈期間中は、「裁判の期日には必ず出頭すること」のほか、「裁判所の定めた住所で生活をすること」「一定期間以上の旅行をする場合には前もって裁判所の許可を受ける」など、裁判所の定めた条件を守って生活する必要がありますが、条件さえ守っていれば、仕事や学業など、基本的には逮捕される前と同様の日常生活を送ることができます。
保釈を許可するかどうかは、裁判官が、事件の内容のほか、「罪証隠滅の可能性」や「逃亡するおそれの有無」などの事情を考慮して決めることになります。

保釈請求に必要なものは?

1.保釈金

保釈請求にあたっては、通常、「保釈金」の用意が必要となります。
保釈金の額は、裁判官が、保釈を許可すると決めたときに、具体的な金額を定めます。金額については、事件の内容、証拠関係、被告人の生活環境などを考慮して、相当な金額を定めるものとされています(刑訴法93条2項)。
被告人が裁判期日にきちんと出頭し、保釈期間中に裁判所の条件を守って生活している限り、保釈金は裁判が終了したときに全額返還(還付)されることになります。
ただし、万一、被告人が裁判期日に出頭しなかったり、裁判所の定めた条件を破ったりすると、保釈が取り消され、保釈金の全部または一部が没取される可能性がありますので(刑訴法96条)、注意が必要です。

2.身元引受書

法律上は絶対に必要というわけではありませんが、実務上は、保釈請求にあたって、裁判所から「身元引受書」という書面の提出を求められるのが通常です。
これは、「出所した被告人に保釈条件を守らせ、必要の際には裁判所の指定する場所にいつでも出頭させます」ということを約束する書面(いわば誓約書)です。
裁判官は、保釈を許可するか否かを判断するにあたって、「誰が身元引受人になるのか」ということも重要な事情として考慮します。したがって、身元引受書は、被告人との関係や社会的地位などを考慮して、最もふさわしい方に書いていただくことになります。(被告人が既婚者の場合、配偶者の方にお願いすることが一般的です。)

保釈は、請求すれば必ず許可されますか?

法律上は、裁判所は請求があれば保釈を許可するのが原則とされていますが(刑訴法89条)、実際には、保釈請求が認められない(却下される)ことも少なくありません。
それは、「被告人が証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」(刑訴法89条4号)とか、「被告人が被害者その他の関係者に危害を加えると疑うに足りる相当な理由がある」(刑訴法89条5号)などと判断されることがあるためです。

残念ながら、これまでの実務では、裁判官は比較的ゆるやかに「罪証隠滅のおそれ」ありと認定し、保釈を認めないという判断をすることがありました。しかし、最近は裁判員裁判など刑事司法制度の改革の影響もあって、裁判官の判断傾向も少しずつ良い方向(保釈を認める方向)に変わってきているように思います。

被告人という立場に置かれたうえ、長期間、拘置所や警察署に勾留されなければならないのは大変つらいことです。弁護人は、少しでも早く被告人の身体が解放されるよう、裁判官を説得して保釈を許可させるように、努力します。
なお、最初の保釈請求が却下されたとしても、その却下の決定に対して不服を申し立てたり(準抗告・抗告)、タイミングを見て再度の保釈請求を行うなどの方法もありますので、一度却下されたとしても、あきらめる必要はありません。

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